【シリア内戦・アメリカの外交】わかりやすく解説!2017年1月現在

公開日: : 最終更新日:2017/05/14 世界 ,

中東情勢が混沌としている。シリアやイラクを舞台として、様々な国々が背後におり、自国の利益の追求だけのために動いている。

特にシリア情勢は複雑だ。2017年1月現在、シリア情勢がどうなっているのか見てみよう。

シリア情勢をなぜ知る必要があるのか?

2017年1月現在、中東情勢はどうなっていますか?ともし私が日本人の皆さんにインタビューしたとしたら、大概IS(イスラム国)の名前を挙げてくるだろう。

それは納得できる。なぜなら日本人2人(後藤健二さん、湯川遥菜さん)がイスラム国に処刑され、センセーショナルな報道のされ方をしたからだ。

しかし、中東情勢のメインプレイヤーはイスラム国ではない。シリア情勢を掴むと日本と関わり合いのある、アメリカ、ロシアの動きが浮き上がってくるのだ。

シリア国内に展開する勢力について

上図の黒い矢印は協力関係、赤い矢印は直接的な敵対関係を示している。

こうしてみるとメインはイスラム国ではなく、シリア・アラブ共和国と自由シリア軍との戦いであることがわかる。

イスラム国はシリア・アラブ共和国、自由シリア軍、アル=ヌスラ戦線と敵対関係ではあるが、各団体からメインターゲットとみなされていない。

シリア・アラブ共和国(アサド政権)

水色の枠で囲われている国や勢力がアサド政権側の陣営である。ロシアとイランがメインでサポート、イラク政府も若干ではあるがシリアへ援軍を送り込んでいる。

なお、日本はG7で唯一、ヨルダンに仮の在シリア大使館がある。つまり日本は、現在G7の中で最もアサド政権寄りであると言える。

アメリカでトランプ大統領が誕生すれば、トランプはアサド政権につくという話がある。つまり、今までのアメリカの立場をガラリと転換することになるた

め、非常に混沌とした状況になると予想される。なお、フリージャーナリストの常岡浩介氏によれば、シリア政府軍は化学兵器などを使用して民間人を虐殺

している。実際のところ、過激派よりもシリア政府軍による虐殺の死者が多いようだ。

自由シリア軍

2011年ごろ、アサド政権に反対するシリア政府軍から離脱した将校たちが集合して出来上がったのが自由シリア軍である。アメリカ、トルコ、サウジアラビア、カタールなどが支援している。イスラエルがバックにいるアメリカが支援するこの自由シリア軍を、シリア国民から支持を得るのは極めて困難であろう。

自由シリア軍に参加した日本人がいる

鵜澤佳史(うざわ・よしふみ)という日本人が自由シリア軍に参加したことがある。

元自衛官であったこの人物は、自分を極限状態において自分を試したいという理由から自由シリア軍に参加した。

彼はまずトルコに行き、そしてシリアに入った。イスラム教に改宗しないと一緒には戦えないと言われ、イスラム教に改宗しハムザという名前をもらった。

彼はシリア政府軍が民間人を虐殺していると考え、その反対勢力である自由シリア軍に身を投じた。

しかし、砲弾片が両足を貫通し、重傷を負った彼は帰国の途に着く。

アル=ヌスラ戦線(レバント征服戦線)

アルカイダ系の組織であったが、2016年7月28日、指導者のアル・ジュラーニはアルカイダからの離脱を宣言し、レバント征服戦線と名前を変えた。

レバントとは、シリア、レバノン、ヨルダン、イスラエル一帯を示す言葉である。

この組織は自由シリア軍と共闘したり、合間見えたりと複雑な関係である。なお、ISがヌスラ戦線の兵士を処刑したことから、ISと敵対関係にあると言われ

ている。ヌスラ戦線は報復として、IS兵士を処刑している。

イスラム国(ダーイッシュ、IS、ISIS、ISIL、イスラミック・ステート)

様々な呼称をされているこの組織は、バグダーディーというリーダーが作った。シリアとイラクにまたがる勢力を持つ。

センセーショナルなやり方でとらえた人々を処刑することで有名である。2017年現在ではクルド人の率いるペシュメルガやイラク政府軍の追撃を受け、本

拠地モスルが陥落するのも時間の問題だと言われている。

アメリカの今後の中東政策について

現在、アメリカはイスラム国と敵対状態にあるが、トランプ大統領が誕生すれば、ロシアと一緒にシリア政府軍を応援すると意思表示をしている。

トランプ大統領の娘、イヴァンカの夫・ジャレッド・クシュナーは正統派ユダヤ教徒であり、結婚する際、イヴァンカはユダヤ教に改宗し、ユダヤ人となっ

た経緯がある(正統派ユダヤ人はユダヤ人としか結婚できないため)ことから、トランプ大統領は大のイスラエル贔屓である。しかし、シリアとイスラエル

の仲は険悪である。この記事を書いている時に(2017年1月13日)、イスラエルがシリア空軍基地にミサイル攻撃をし、シリア政府がイスラエルに警告を発し

たというニュースが入ってきた。おそらくイスラエルは、アメリカの今後の出方を探るため、沈黙を破り、シリアを攻撃したのであろう。

トランプ大統領は中東政策をどうしていくつもりなのだろうか?先が見えない。

ロシアの対応

ロシアはなぜシリアに立ち入ったのか?それは自分のいいなりになる政府を少しでも作りたいためだった。ロシアはアメリカ大統領選で、操り人形であるト

ランプに勝たせることに成功した。なぜ操り人形であるのか?それはロシアがトランプの醜聞を握っているからである。トランプはこれからもロシアのいい

なりになって動いて行くことだろう。

日本国の対応は?

常岡氏は、自衛隊は派遣すべきではない。政治的なサポートをすべきである、としている。

また氏は、安倍首相はロシアと仲良くすれば北方領土を取り戻せると思っているが、ロシア側で領土を返すと言っている専門家は皆無であると言っている。

私もこれには全面的に同意である。なぜなら、私はロシア留学へ行った際にロシア人教授から日露関係の講義を受けたことがある。日本とロシアの間に平和

条約が結ばれ、さらに軍事協定が結ばれれば、北方領土が帰ってくることがあるかもしれない。現在やっている北方領土交流事業は政治的に何の意味も持た

ないとはっきりと言っていたからである。私は何も、ロシア人のいいなりになっているわけではない。彼が言いたいのは、それは決してポジショントークと

かではなく、外交というものは冷徹な計算があって成立するものである、ということだ。もちろん、草の根交流も大事だが、それは民間レベルでの話だ。日

本側は自身のポジションと、相手の状況、関係を冷徹に見て行く必要があるだろう。日本のやれること、それは人口減少著しいこの国を認識し、シリア等移

民を受け入れる準備をし、外交にてシリアを平和に導くことではないだろうか。

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